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咬耗(こうもう)って何?
こんにちは。伊藤デンタルオフィスの伊藤です。
今日は咬耗と歯軋りついてお話ししたいと思います。
咬耗とは聞きなれない言葉だと思いますが、簡単にいうと歯が噛み合わせですり減ることです。
歯、特にエナメル質の部分は人体の中で最も硬い組織です。
そのエナメル質より硬い食べ物はありません。ですのでいくら硬い食べ物が好きだと言ってもその食べ物で歯がすり減ることなないのです。
食事しているときにいちいち噛むだびに最後まで歯をしっかり噛み合わせながら食事していますか?
また何もしていない時は安静空隙と言って上下の歯は接触せずに2mm程度あいています。
なので普通は1日の中で上下の歯が接触している時間は数分にも満たないものです。
ではなぜ歯がすり減るのでしょうか?
それはいわゆる歯軋りと言われるもので生じます。正式にはブラキシズムと言います。
ブラキシズムには3パターンがあります。
グラインディング、タッピング、クレンチングです。
グラインディングは歯を横に擦り合わせるタイプ。タッピングは細かくカチカチするタイプ。クレンチングはグーッとただ噛み締めるタイプです。
グラインディングとタッピングは音がするので人から歯軋りしてたよと言われることがありますが、クレンチングは音がしないことが多いので、自分は歯軋りしてると言われたことないと言って私は歯軋りはしませんと仰る方もいますが、実はクレンチングが一番大きな力が加わる可能性が高いので危険です。
中には歯が真っ二つに割れて抜歯になる方もいらっしゃいます。
歯軋りは昔は悪い癖(悪習癖)と考えられてきました。
しかし今では日中のストレスを軽減するための生理現象であるということが分かってきました。
ですので昔はアンテリオジグという装置を付けることによって歯軋りをしないようにしていましたが、そうすると逆にストレスが発散できず自律神経失調症になる危険性が高くなってしまいます。
当院では、そう言ったことを踏まえ歯軋りが強いであろうと思われる方にはナイトガードを使用してもらい歯軋りをしても歯や歯周組織、顎関節に負担にならないよう対応しています。