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下掘れう蝕
こんにちは。伊藤デンタルオフィスの伊藤です。
今日は下掘れう蝕についてお話しします。
う蝕とは専門用語で虫歯のことを言います。
虫歯は前にもお話ししましたが、虫歯菌が出す酸によって歯が溶けることを言います。
下掘れう蝕とは、虫歯になった歯の典型的な状態のことを言います。
歯は象牙質(有機質)で出来ていて、その表面(通常で言えば歯肉から出ていて口の中に見えている部分)をエナメル質(無機質)で覆われています。
虫歯は大抵表面のエナメル質から始まり象牙質に侵攻します。エナメル質の範囲内の虫歯をC1,象牙質にまで達した虫歯をC2,神経まで達した虫歯をC3、根っこだけになってしまった虫歯をC4と分類しています。
エナメル質は人体の中で一番硬い組織ですが、Ph5、5以下になると溶けて(脱灰)いきます。
象牙質は有機質で出来ているので耐酸性はエナメル質に比べると低くPh6、4で溶け始めます。
このエナメル質と象牙質の耐酸性の違いにより、虫歯はエナメル質の層から象牙質に達した時に大きく溶けていくので、虫歯の入口は小さくても中で大きく虫歯になっています。このことを下掘れう蝕と呼びます。
虫歯の小さな入り口に気づかず、中で侵攻して、まるで落とし穴のようにある時歯に大きな穴が開くということが多いのはこういう理由になります。
歯科医院でレントゲン撮影で見つけることができますので神経を抜くような虫歯になる前に定期的に検査をするよう推奨しています。
ただレントゲン撮影しなくても、歯(エナメル質)は半透明なので強拡大で注意深く診れば見つけることが可能です。逆にレントゲンに映らないような小さな虫歯も発見することが可能です。